シンビジューム(ワインシャワー)

シンビジューム Atelier-Sachic
シンビジューム Atelier-Sachic

 

シンビジュームを描きました。

 

自宅で育てているシンビジュームは

今年、4本の花芽をつけ

これは、一番最後に咲いた1本です。

 

3月に、開花し始めたお花の様子を

Sachic-View(3/3)にてご紹介しておりますが

鉢の状態だと1メートルを楽に超す大きさなので

描く際には、剪定して花瓶に活けた状態で

描きました。

 

おまけに、支柱無しで

自然の状態で育てたため

4本中3本の花芽は

地面に水平に伸びていき

このお花もその一つです。 

 

ですから、お花に詳しい方が見ると

少し不思議な向きで

描かれています。

 

シンビジュームの花は

簡単に説明すると右のような構造で

 

3つのがく片と

2つの花弁

ずい柱と

唇弁

 

で構成されています。

 

お花が開く時は右写真のような唇弁が

下に垂れさがるような感じになります。

 

水彩画の方は、唇弁が右側を向いており

鉢で育っていた時は

ちょうど右に90度反転した方向に伸びていたことが

伺えます。

 

こちらの水彩画、完成までに1か月くらいかかっているのですが

花瓶に活けている間も

毎日少しずつ、うねり始め

最終的には唇弁が下方向に落ち着いたのでした。

 

地球の重力を感じとっているのでしょうか・・・。

生命の神秘です。

 

水彩画完成までの工程は

また、ぼちぼち、UPしていきますので

お楽しみに。

 

 

2018.4.25

 

 


シンビジューム(ワインシャワー) 水彩画1

 

まずはデッサンです。

 

実寸通りのサイズで描いていきます。

 

全長を測ると、

スケッチブックには入り切らなかったのですが

本番の用紙は、もう少し大きいので

とりあえず上と下は、少し切れた状態で

デッサンしています。

(本当は、大き目のスケッチブックに描くべきなのですが)

 

スケッチブックにデッサンしたものをトレースし

水彩用紙にうつします。 

花の拡大写真からもわかるように

ふちがごくごく淡い色の花なので

トレースした線が濃いと最後まで輪郭線として

残ってしまうため

デッサンの時と比べかなり薄くうつします。

 

次に、ベースの色を塗っていきます。

 

このシンビジュームは花弁やがく片のふちが

淡いライラック色なので

まずは、ベースとしてこの淡いライラック色を

ウェットオンウェットで

花弁やがく片に塗っていきます。

 

唇弁やずい柱の内側は、一番色が淡い部分なので

とりあえず、色を付けずに保留です。

 

茎は、黄色系の色で塗ります。

 

 

2018.4.26


シンビジューム(ワインシャワー) 水彩画2

 

次に淡いライラックのふちを残すようにして

ワインレッドのようなボルドーのような

この花特有の色を作り、塗っていきます。

 

この段階からは、濃淡を意識して彩色をほどこします。

 

今回は、お花がたくさんなので

メインの色はたくさん用意しておく必要があります。

いつものパレットではなく

梅皿に、たっぷり用意しておきます。 

 

私の場合は、梅皿の真ん中に、基本になる色を作り 

回りに少し青め、少し黄色みのあるなど

微調整した色を作っていきました。

 

また、絵の具は濡れている時の方があざやかで

乾いた時の方が色が落ち着きます。

特に赤系の色は、乾いたら発色がくすみがちなので

色を調合する時は 

必ず、テスト用紙で色が乾いた状態で判断します。

 

 

2018.4.29 


シンビジューム(ワインシャワー) 水彩画3

 

さらに濃淡を意識して

花弁や、がく片に色を重ねていきます。

 

また、保留していた唇弁や、ずい柱にも

色を付けていきます。

 

これで、花の部分には何らかの色がつき

花の全体像は見えてきました。

 

 

ここからは、濃淡と同時に

詳細情報も描きこんでいきます。

 

花弁や、がく片には縦じまを描きます。

 

光に対する向きによって

縦じまがよく見える場合と

そうでない場所もあるので

よく観察して描きます。

 

唇弁や、ずい柱も

さらに陰影を加え

花弁や、がく片の強い色とのバランスを考えて描きます。

 

 

2018.5.2

 

 


シンビジューム(ワインシャワー) 水彩画4

 

詳細情報を描き入れていくと

今度はベースの色が弱く感じたり

なんだか乾いた感じに見えてきます。

 

そんな時は、あらためて

濃すぎない(ここ重要!)たっぷりの絵の具で

フラットに塗ったりします。

 

欅の葉っぱでも解説していますが

植物のもつ、しっとり感や肉厚感など

質感を近づけるために

この工程はかならず通ります。

 

絵の具で水分を与えると

まさしく描いている植物に水をあげたようになり

生き返った感じが

個人的には描いていて楽しい瞬間です。

 

 

 

2018.5.4 

 

 


シンビジューム(ワインシャワー) 水彩画 完成!

 

お花の部分が8割方完成したら

茎の部分も色をつけていきます。

 

お花はすでに、何度も塗り重ねてあるので

茎もそれに見合う強さになるまで

濃淡を意識して色を重ねていきます。

 

茎がおおよそ完成したら

再び、お花に戻り

今まで以上に細かい観察をしながら

 

ある時は面で、

ある時は線描で、

ある時は点描で、

描き分けていきます。 

 

シンビジューム Atelier-Sachic
シンビジューム Atelier-Sachic

最終段階は全体のバランスをみながら

自分が納得するまでやり続けるので

私の場合は

8割方完成以降は結構時間がかかります。

 

今回は、とにかく

蘭特有の何とも言えないしっとり感を

出したかったので

そこにはかなりこだわりました。

 

今はもう葉っぱだけになっている

シンビジュームですが

水彩画の形で残せてよかったです。

 

 

2018.5.7