Porcelain Painting とは・・・


ポーセリンPorcelain は磁器、ペインティングPainting は描くこと。

専用の絵の具を使用して、白磁の上に描いたものを、釜に入れ、高温で焼成(焼き付ける)するもので、チャイナペインティングとも呼ばれます。

デザインによって、また深みを出すために、この作業を数回繰り返し、仕上げます。

釉薬をかけた白磁の上に描くので、上絵付けともいいます。 

 

◆絵の具

金属の酸化物と、それを融解定着させるガラス質を配合させたパウダーを、専用のオイルで溶いて作ります。

 

◆白磁

カオリンという白い土を練り、成型し、1300度の高温で素焼きしたものに、釉薬をかけて再度焼成したのが白磁です。指ではじくと、“チンチン”と高い音がなります。 

   

◆焼成

800~830℃程度になるまで、4~5時間かけて焼成し、その後半日かけて常温になるまで釜の中でさまします。

 

◆歴史

やきものの歴史は、土器に始まり、炻器、陶器がうまれ、その後磁器が作られるようになりました。

7世紀初頭、中国の景徳鎮ではじめて磁器が作られ始め、数世紀を経てその技術は朝鮮半島に渡り、その後17世紀初頭には日本にも韓国の陶工により技術が伝わります。

ヨーロッパでは、16世紀になると、オランダの東インド会社により中国の磁器製品が大量に輸入されるようになります。当時、ヨーロッパの王侯貴族にとって、硬く白い磁器は憧れの対象であり、金と同じくらいの価値がありました。そこで、輸入するばかりではなく、自らの手で磁器を作りたいという機運が高まります。そして、試行錯誤の上、1709年についにドイツ マイセンにおいて磁器の生産に成功します。

当初、マイセンでは、中国趣味的(シノワズリー)な染付けや、日本の柿右衛門スタイルのような色絵の影響を色濃く受けていましたが、18世紀になるとヨーロッパの伝統ある美意識をもとに華麗なやきものが製作されるようになります。

磁器製作の技法は門外不出ではありましたが、陶工の引き抜き等で、半世紀の間にヨーロッパ各地に広がりました。 これらの土地ではいずれも良質なカオリンが採掘され、各地の文化の影響を受けながら独自の発展を遂げます。

  

*悠久の歴史をかなり簡単にまとめています。もっと詳しく紐解きたい方は参考図書をご一読くださいませ。

 

【参考図書 : マイセンへの道 / 東京書籍】