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フローラテキストのご紹介

 

レッスンカリキュラムの最後はフローラです。

 

ロイヤルコペンハーゲンの“フローラダニカ”シリーズの伝統的技法をベースにし、カリキュラム用のモチーフを描きます。

 

フローラダニカとは、『デンマークの花』という意味で、そもそもは、デンマークの野生植物を描いた植物図鑑の名前でもあります。

 

その植物画を忠実に器に再現しているのが、磁器のフローラダニカというわけです。

 

植物画を模写するということは、自分で実際の植物を観察して描くわけでは無いので、わかっている風に描いてしまうという落とし穴があります。

 

わたし自身も、絵を真似る感覚で描いていた時期がありましたが、植物のことを何も知らないで描いていると、うっかり大切な部分を省略してしまったり、適当に描いてしまって構造的な矛盾が生じたりすることがありました。 

 

そこで、テキストでは、描き方はもちろんですが、最初に植物の構造的特徴についても簡単に解説しています。(デンマークの原種の植物を日本で見ることはできませんので、日本に生息する同類のものを例にしての解説になります。)

 

対象の植物のことを知ると、立体的な構造がイメージしやすくなります。また、その植物が少し身近に感じられれば、公園や野山に行って実際に観察してみることにもつながり、机の上の絵の世界が外の世界とつながるような気もします。

 

200年以上前に最初にその植物を実際に観察し描いた人の目線に、ほんの少しだけでも近づくことができたら素敵ではないでしょうか。

 

 

2022.10.17