トンボを観察していると・・・
ルネ・ラリックの『蜻蛉の精』が
私の頭をよぎります。
蜻蛉をモチーフに作られた
胸元飾りは、あまりにも有名な作品です。
以前足を運んだアールヌーボー展の図録をあらためて取り出し
ラリックはどういう風に蜻蛉のことを表現していたのだろうと
見返します。
腹部の節(ふし)には
10粒のエメラルドが配置され
金で表現された翅脈の美しい流れと
七宝で埋められた翅室の半透明感も絶妙です。
縁紋にあたる部分は
ダイアモンドとエメラルドで装飾され
光によって表情を変える翅の
神秘的な華やかさが表現されています。
妖精の中に蜻蛉がしっかりと宿っています。
2018.7.10