りんごの断面を描く過程で
新たな発見がありました。
リンゴの実の下の部分を観察していると
乾燥した雄蕊っぽいものや
緑っぽい平たいものが重なっているのを見つけました。
実の下に花が咲いていたのだろうか?
だとしたらリンゴの実とは、何が膨れているのだろう???
ベランダで育てたプチトマトは
軸(果梗かこう)があって、萼(がく)があって、
実があり、おしりはつるんとしていた。
いかにも、花が終わって、実がなるという感じ。
これに対し、リンゴは、軸(果梗かこう)があって、
実があって、おしりに萼っぽいものがある。
どうも順番がおかしい。
あらためて調べてみると・・・
萼の下にある花床が子房全体を包み込み
その後、花床が肥大化し果肉となっているのが
リンゴだということ。
つまり、子房と、花床の2重構造で、
おいしく食べているのは花床という場所だ。
ナシも同じ仲間で、
こういう子房と萼の位置関係を子房下位というらしい。
トマトは花床や萼の上に子房があるので
子房上位というらしい。
果物で言えば、柿もそう。
食べているのは、肥大した子房である。
しかし、半世紀近く生きてきて
何度となくリンゴを食べてきて
萼と実の位置関係を一度も意識したことがなかった。
花床なんて単語を今まで使ったことがないけれど
リンゴの構造を理解するには、避けて通れない。
ボタニカルの教室に行くと
先生を初め植物に詳しい先輩方のお話には
私の知らない植物用語が時々登場する。
成長過程の特徴や
それぞれのパーツの持つ機能が違うのだから
細分化した名称を用いざるを得ないというわけだ。
リンゴの断面を描いて以来
スイカを見ても、キュウリを見ても
ひっくり返しておしりを見てしまうのである。
そしてなによりも、来年の5月にはリンゴの花を見に行きたい。
2016.8.3